中学国語講師日記〜ipadで国語授業〜

ipadを活用した国語の授業や、教育情報など掲載します。

教科指導・行事・部活、どこに比重をかけていますか?

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東京方式 習熟度別指導ガイドライン

  東京都の中学校では、平成28年度より数学、そして29年度より英語の習熟度別少人数指導が行われています。前年の10月に指導計画と評価計画、運営方法などの計画書を提出し、承認されると、2クラス3展開、1クラス2展開による習熟度別少人数指導が可能になります。数学、英語ともそれぞれ教員が1名配置されます。2名の教員が増えるわけですから、各学校に約2,000万円をかけて行われている事業です。よって、成績をあげることが求められています

 その指導におけるガイドラインが、来年度に向けて改定されました。「個々の生徒の特性と習熟度の把握」「効果的な学習集団の編成」「補充的な指導」「発展的な指導」「教材・教具の工夫」「習熟度別を推進する委員会の設置」「校内推進計画の作成」「生徒・保護者への説明と意見を聴取する機会の設定」「達成水準の数値目標設定」。

 さらに、英語は「面接・スピーチ・エッセイ等のパフォーマンス評価」「評価のフィードバックの際の具体的な指示」「絶えず指導を見直し、授業改善を進める」

 指導内容としてかかられていることを実施すれば、確かに学力は向上すると思われます。

 現在、習熟度別少人数指導が都内、ほぼすべての学校で行われています。そのため、数学科と英語科の先生の授業は、週22時間の授業を行っています。

 1週間の授業時間は28時間。そこから22時間を引くと、6時間。担任は「道徳」「学活」「総合的な学習の時間」を担当するため、残りは3時間。

 6時間目の授業が終わるのは、15時20分。学活と清掃指導をすると15時45分。このあと16時30分までは休憩時間。そして16時45分が勤務終了時間です。

 これらから考えると、数学と英語の先生が、習熟度別指導ガイドラインに沿って、授業準備をし、ガイドラインに沿った個別指導をする時間は3時間しかありません。しかし、その3時間も担任としての3時間のための準備も、学年の打ち合わせも、委員会活動もあります。

 根本的に、先生方の上限時間数が多すぎるのです。

 これ以外、今年から特別支援教室が各学校に設置され、特別支援教育が始まりました。もちろん、生活指導の問題、保護者対応、そして部活動指導があります。試験期間前には試験問題の作成、終われば採点、成績処理。3年担任は進路指導に調査書…しなければならない仕事が湧き出てきます。

 部活動はガイドラインができました。次に減らせるのは行事です。新型コロナ禍で、今年は行事がなくなっています。学校は授業のみ行われています。もしかしたら、これが本来の学校でいいのかもしれません。これを機に、行事の見直しを行いましょう。教科指導が学校の本文です。行事が少なくなることに対して、地域の不満も出るかもしれません。しかし、大切なのは未来の生徒の生活です。そこを地域とともに、学校は考えて行きたいと思うのです。