中学国語講師日記〜ipadで国語授業〜

ipadを活用した国語の授業や、教育情報など掲載します。

教科指導・行事・部活、どこに比重をかけていますか?

f:id:kokugoline:20200924140514j:plain

東京方式 習熟度別指導ガイドライン

  東京都の中学校では、平成28年度より数学、そして29年度より英語の習熟度別少人数指導が行われています。前年の10月に指導計画と評価計画、運営方法などの計画書を提出し、承認されると、2クラス3展開、1クラス2展開による習熟度別少人数指導が可能になります。数学、英語ともそれぞれ教員が1名配置されます。2名の教員が増えるわけですから、各学校に約2,000万円をかけて行われている事業です。よって、成績をあげることが求められています

 その指導におけるガイドラインが、来年度に向けて改定されました。「個々の生徒の特性と習熟度の把握」「効果的な学習集団の編成」「補充的な指導」「発展的な指導」「教材・教具の工夫」「習熟度別を推進する委員会の設置」「校内推進計画の作成」「生徒・保護者への説明と意見を聴取する機会の設定」「達成水準の数値目標設定」。

 さらに、英語は「面接・スピーチ・エッセイ等のパフォーマンス評価」「評価のフィードバックの際の具体的な指示」「絶えず指導を見直し、授業改善を進める」

 指導内容としてかかられていることを実施すれば、確かに学力は向上すると思われます。

 現在、習熟度別少人数指導が都内、ほぼすべての学校で行われています。そのため、数学科と英語科の先生の授業は、週22時間の授業を行っています。

 1週間の授業時間は28時間。そこから22時間を引くと、6時間。担任は「道徳」「学活」「総合的な学習の時間」を担当するため、残りは3時間。

 6時間目の授業が終わるのは、15時20分。学活と清掃指導をすると15時45分。このあと16時30分までは休憩時間。そして16時45分が勤務終了時間です。

 これらから考えると、数学と英語の先生が、習熟度別指導ガイドラインに沿って、授業準備をし、ガイドラインに沿った個別指導をする時間は3時間しかありません。しかし、その3時間も担任としての3時間のための準備も、学年の打ち合わせも、委員会活動もあります。

 根本的に、先生方の上限時間数が多すぎるのです。

 これ以外、今年から特別支援教室が各学校に設置され、特別支援教育が始まりました。もちろん、生活指導の問題、保護者対応、そして部活動指導があります。試験期間前には試験問題の作成、終われば採点、成績処理。3年担任は進路指導に調査書…しなければならない仕事が湧き出てきます。

 部活動はガイドラインができました。次に減らせるのは行事です。新型コロナ禍で、今年は行事がなくなっています。学校は授業のみ行われています。もしかしたら、これが本来の学校でいいのかもしれません。これを機に、行事の見直しを行いましょう。教科指導が学校の本文です。行事が少なくなることに対して、地域の不満も出るかもしれません。しかし、大切なのは未来の生徒の生活です。そこを地域とともに、学校は考えて行きたいと思うのです。

 

 

 

 

 

 

教員を目指す若者へ

1 教員を目指そう

 教師を目指す若者が減っています。しかし、教師を目指してくれる人がいなければ、私も安心して退職できません。ぜひ、多くの若い力が、教師を目指してほしいと思っています。そしてなるからには、即戦力として、これから10年先の未来社会で、自分の夢を叶えられるように、生徒を指導してほしいと思います。

2 大学の採用試験指導の課題

 教員採用試験の2次試験は、集団面接と個人面接で行われるところが多いと思います。個人面接は、本人の志望動機や経験などを記入した面接表と、教科の指導案をもとにして行われます。私はこの面接表と指導案の添削を頼まれることが多々あります。そしてこれらを見た時、思うのは、「大学で指導されていないなあ〜」と言う感想です。

 教育実習生を受け入れていると、大学の教育課程を担当している教授にお目にかかる機会があります。ほとんどの教授が元教員、きっと校長先生もしくは、指導主事をされていた人でしょう。その方たちに共通するのは、現在の指導要領を取り入れた指導の実践経験がありません。ましてや、ICTを使った授業など皆無です。自ずと古い指導になります。大学と現場の連携が、もっと早い段階から取れていれば、少しは改善されると思われます。しかし、今の接点は教育実習の3週間だけ。これでは、本当の現場をしらないまま、教員採用試験をうけるということになります。これが、大学の採用試験指導の課題です。

 今、教員を目指している若者は、とても素直で真面目な人が多いと感じています。「なぜ、教員を死亡したのか?」と言う問いに対して、一番帰ってくる答えは、恩師の影響です。「自分も恩師のように、生徒に夢を与えたい。」そんな純粋な気持ちから、教師を目指してくれています。そして、「どんな教師になりたいか?」と言う質問に対しても、「恩師のように暖かく、生徒の立場に立って考えられる教師に成りたい。」と、実に純粋な志です。一昔前なら、ぜひなってくださいと、言いたくなってしまいます。

3 採用試験に合格するために

 今の中学生の10年後の社会は、どんな社会になっているのでしょうか。来年度から施行される学習指導要領には、「予想不可能な社会」と書かれています。Society5.0の社会で生きる生徒のために、授業改善が必要不可欠です。そのキーワードが「主体的・対話的で深い学び」なのです。教師として、生徒の成長を願うなら、授業改善をして、ICTを駆使し、個々の生徒の力を伸ばしてあげなくてはなりません。そうなのです。これからの教師に必要なのは、新たな未来社会で生き生きと生活できるように指導することが必要なのです。

 面接試験で、このようなことをいえる実習生にあったことはありません。本番の試験でもいません。本当に、教師になりたいと思うならば、具体的に、どのような指導を、いつまでに、どんな目標を定め、実践するかを話すことができたら採用試験に合格できます。ただし、そのためには、自分の実力をつけることが必要です。

 来年の4月から、本気で教員になりたい若者の力になりたいと考えています。論文の添削、受験票、単元指導計画の添削指導だけでも、かなり違うと思います。しかし、本来なら、添削指導が必要ないくらいの実力をつけてもらいたいと思います。そのためには、1年ぐらい必要でしょう。今、真剣にお手伝いしたと考えています。よろしくお願いします。

「予測が困難な時代」「人工知能の飛躍的な進化」
 これが、新学習指導要領が予測する10年後の未来社会です。この社会に、生徒たちを送り出すのが、今の教師の仕事です。そして、この社会でよりよく生きていくために、新学習指導要領では、授業改善のキーワードとして、「主体的・対話的な深い学び」が示されました。10年後の社会では、教えに従うだけ、知識を詰め込むだけ、支持されてから行動するような姿勢では、よりよく生きていけないようです。
 今、自分の生き方は、社会の流れについていっているでしょうか。クレジットカード、パソコン、スマホ電子マネーマイナンバーカードなど、使いこなしていますか。いつまでもガラケーの人、現金主義、お金の振り込みは銀行窓口。マイナンバーカードは持っていない。年金だけでは不足な老後資金のための資産運用をしていない。これらに該当する人は、時代の流れについていっていないと言えるのです。そして、この先の10年は、AIの発達もあり、予測不可能なほど変化していくのです。
 教師主体の一斉授業で、生徒は先生の話を聞きながら板書をノートに写す。この授業スタイルは、産業革命以降の工業社会(Society3.0)では有効でした。しかし、情報社会(Society4.0)では、先に上げた人のように、時代の流れについていけない人が出始めています。情報を使いこなしている人と、そうでない人の差は、年々開き始めています。
 そして、新たな社会。仮想空間と現実空間を高度に融合せ、社会の課題の解決や、経済の発展を目指す社会(Society5.0)。そこでは、人とものが繋がり新たな価値が生まれたり【IoT】(Internet of Things)、ロボットや人工知能【AI】が社会の課題に対応したりして、世代を越えた協働と、一人一人の活躍を支えるイノベーション【innovation】の創出が期待されています。授業改革は、生徒の未来の生活を左右することに繋がります。そして、「主体的・対話的な深い学び」による授業改革は、生徒の未来のために、教師に課せられた使命なのです。

f:id:kokugoline:20200907091228j:plain



 では、「主体的な学び」はどのようにすればよいのでしょうか。先生が発問し、生徒が積極的に手を挙げて答えている学習や、グループで話し合うことを教師が指示した学習は、やはり、教師主導であり、生徒による主体的な学びとは言えないのです。生徒が主体的に学習するとは、生徒自身が学習方法を選択して取り組む必要があります。最初は、教師が課題の解決のための学習方法を2種類提示し、一人一人に選ばせてから取り組ませるのが良いでしょう。自分が選択したのですから、その方法に従って自ら進んで、責任を持って取り組むようになります。そして、そういう経験を積むことにより、最終的には、未知の課題に対して自ら解決方法を考えて取り組むことが可能になります。

コロナ禍を機会に、学校を変えよう!

 8月5日締め切りで、教育課程の再提出を求められています。9月予定だった修学旅行は7月27日に中止を3年生と保護者に伝えました。10月の移動教室も中止。これで、今年度の行事と言えるものは、3月の卒業式だけになりました。

 教務主任は、例年の練習日程どおりの予定を作ってきました。(学校って、実施予定よりも先に日程が出てきます。よって、例年通りが毎年繰り返されます。)しかし、今年3月の卒業式は練習なしの本番だけ。それでも良い卒業式ができました。そう、練習などなくてもできるのです。では、練習はなんのためだったのでしょうか。誰一人間違えないように。お辞儀が揃うように。歌が少しでもうまくなるように…例年、慣例のように繰り返されてきました。

 3月に入ってから、授業はほとんどなくなり、救命救急法の講習、遠足、学年お楽しみ会に球技大会。ボランティア活動での清掃、そして毎日のように行われる卒業式の練習。これが中学3年生の3月です。なぜこうなっているのか。私が知る理由は、学年末試験が終わり、入試が終わると、授業がやりにくくなるからです。試験があるから、成績をつけられるから。生徒はそれらのため、先生の授業を受けていた。そして、それらの足かせがなくなったら、まともに授業ができる先生が少なくなります。授業中の生徒を、力で押さえつけていた先生。説明ばかりで面白くない先生。授業では生徒を惹きつけられないため、雑談でやり過ごす先生。こんな先生達をたくさん見てきました。そして、そういう先生たちが考えたのが、授業を減らし、行事を増やす方法なのです。

 さて、教務主任が持ってきた予定表に対して次のようにしようと提案しました。

 ○ 卒業式の学年練習は2時間。

 ○ 在校生の参加は、代表生徒のみ。

後は、「授業時間が減ったので、最後の最後まで授業をしよう。しっかりと、学力をつけてあげよう。」

 今年度は、これで行きます。ぜひ、みなさんの学校でも変えてみませんか。

 

 

 

一斉、オンライン朝学活 成功!

 6月23日(火)8:20分より。今週までは分散登校です。教室には半分の生徒。そして、オンラインでは、午後に登校する生徒たちが参加しています。 

  第2波のコロナ対策として、先生たちのスキルアップと、すべての生徒の家と、オンラインでつなげるために実施しました。

f:id:kokugoline:20200623165625p:plain

   各教室では、学校にあるタブレットPC,もしくは個人のスマホPocket WiFiを活用しました。

 ミーティングIDとワスワードは前日にプリントで配布しました。さて、当日、うまくいくでしょうか。

 いきなり若手の女性の先生が、「IDがロックされました〜!!」とトラブル発生。6回以上失敗すると、30分のロックが掛かってしまいます。オンラインはZOOMで行いました。しかし、落ち着いてやり直したら繋がり、5分遅れでスタートできました。

 12クラスで、若干のトラブルが合ったのは、1年生の2クラスだけ。他のクラスは予定通りに繋がりました。

f:id:kokugoline:20200623165357p:plain

 オンライン学活は初めて。話すことを決めていた先生もいれば、なんとなく緊張して思うように話せない先生がいたりと、クラスごとの様子が見られたオンライン朝学活ととなりました。

f:id:kokugoline:20200623165538p:plain

  この日のために、準備してくれた、オンライン担当の先生方、ありがとうございました。

 放課後の職員室では、先生方が、午前組の生徒とオンラインで会話をしていました。午前組の生徒ともオンラインでつながることの確認です。

 絶対に、第2波が来ないことを、また、一部の学年やクラスが学級閉鎖とならないことを願っていますが、もしもインフルエンザで学級閉鎖になったって、家の学校はオンラインで学力を保証します。

パソコンで学ぶ、国語の学習

 都内の学校にパソコン室ができたのは、1990年ごろです。今から30年前。私はその時にパソコン室の担当となり、若手教員研修の講師として、パソコンを使った国語の授業を公開しました。それから30年。パソコンを使った国語教育を実践し、ノウハウを蓄積してきました。

 平成7年(1995年)、東京で開催された全日本中学国語研究協議会では、第6分科会として、杉並区立阿佐ヶ谷中学校で、全国初、パソコンを使った国語の授業を公開しました。そのときに使用したのは、教科書の教材とワープロソフトの「一太郎Ver.3」でした。

ワープロは作文の主流になる。」

「文章の読解と要約には最適なツールとなる。」

と、その当時から確信し、その後も実践を続けてきました。

 しかし、令和元年(2019年)11月に東京の港区立高陵中学校で開催された同大会で、パソコンを積極的に活用した授業は公開されませんでした。30年を経て、ワープロはビジネスや、大学のレポートや論文に欠かせないものとなっているにも関わらず、中学の国語の授業での使用率は、OECD加盟国で最低という調査結果が公表されました。2018年実施のPISAによる結果です。読解力も先の加盟国37カ国中11位に転落しました。ネット時代への対応の遅れと、パソコンを使用した授業を行ってこなかったことが原因として分析されています。

f:id:kokugoline:20200625001028p:plain

 このカテゴリーでは、パソコンを活用した国語の学習について紹介していきます。

 国語の授業は、発達段階に沿った文章と視野を教材として授業を行います。ゆえに、読解や作文やプレゼンテーションなど、学習内容はそんなに代わりがありません。よって、勉強の術を理解すれば、国語ができるようになります。そのため、外国の方に対する日本語指導にも活用できると思います。

 興味を持たれましたら、ブログの登録をして、この続きにお付き合いください。よろしくお願いします。 

 

新学習指導要領による国語の指導のために

 令和2年4月から、小学校では新学習指導要領による指導が始まりました。中学校は令和3年度からの実施になります。

 新学習指導要領のポイントは、

「主体的・対話的で深い学び」の視点から、「何を学ぶか」だけではなく、

「どのように学ぶか」も重視して授業を改善することです。

 これまでの授業は、教師主導による、「教える」学習が行われていました。それを、生徒主体で、周りの人と共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業にしていく必要があります。

 さらに、ICTを活用して、児童・生徒が自ら調べたり、調べて得た意見や考えを、批判的に読んだり、比較して読んだりしながら、自分の考えや意見を持ち、プレゼンテーションをする授業運営が求められています。

f:id:kokugoline:20200624224018p:plain

 小学校は、今や若手が多くなってきています。自分が教わっていない授業づくりに、色々と迷っていることでしょう。そこで、You Tubeによる「国語指導案チャンネル」を作り始めました。通勤の電車の中でも、活用してもらえるようにしました。

 5月の後半になって、やっと小学校の教科書が手に入りましたので、これからも少しずつ、増やしていこうと思っていまう。

 まずは、国語教師として知っておいてほしいことや、参考にしていただきたいことを中心に作ってみました。時間があるときに、ぜひご覧ください。

 最初の頃は、緊張してなんかぎごちなさが出ています。そのあたりはご愛嬌で、暖かく見てください。よろしくおねがいします。現在11個作成しています。順次、紹介していきます。

 


1,国語指導案チャンネル「このチャンネルをつくるわけ」